キノコでもない、タケノコでもない、田んぼで育まれる不思議な野菜「マコモタケ」。
その美味しさで虜になる人が続出!
渡辺町で代々続く農家に生まれた遠藤さん。
米の転作を考えていた際、茨城県潮来市シルバー人材センターが栽培していた「マコモタケ」に出会いました。
試食させてもらうと、初めて食べるその食感に感動し、たちまち虜になったそう。
イネ科の植物のため、水田の環境を生かして栽培できるのも、大きなメリットでした。
また、2005年にオープンした直売所「彩花園」も経営しており、ここでマコモタケのおいしさを伝えながら、年間約150種類の野菜を販売しています。
生産者情報
生産者 | 遠藤 菊男 |
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住所 | いわき市渡辺町泉田字一町目24 |
電話番号 | 0246-44-3641 |
営業時間 | 9時~17時(直売所) ※営業日:日曜・水曜 |
情報提供当時と現在の情報が異なる場合がございます。ご了承ください。
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遠藤さんは代々続く農家の4代目として、専業で農業に取り組んできました。
また、田んぼや畑で「見て・触れて・味わって」、五感で感じてもらう体験型直売所「彩花園」を地域の方と共に運営しています。直売所を取り囲む自然豊かな里山の風景が何よりの自慢。
田植え体験や農家直伝の料理教室のほか、毎年6月には河原を飛び交うゲンジボタルの観賞会も開き、子どもたちの環境学習に役立ててきました。
マコモタケはアジア原産のイネ科の植物。耐寒性もあり、日本各地で栽培されるようになりました。水辺に群生するため、田んぼの環境をそのまま生かして栽培できます。深く張った根が土を良くする効果もあるので、年々育てやすく、美味しくなっていきます。
断面の黒い斑点は遠藤さんが栽培している広葉マコモに寄生する、.黒穂(くろぼ)菌です。菌が寄生すると芽の部分が大きく肥大して甘味を増し、「マコモタケ」ができるのだそうです。
近年はそのユニークな栽培方法に魅了される人も多く、生産者や大学等で研究に携わる人、料理人など、食のプロフェッショナルが集う「マコモサミット」が全国の主要生産地で開催されています。
マコモタケは煮て良し、焼いて良し、生でも良しの万能食材。タケノコやホワイトアスパラのような食感を楽しめます。衣を付けて揚げるとさらに美味。また、塩をまぶしてラップで包み、レンジ加熱すると旨味が閉じ込められておいしいそうです。
収穫期は9月下旬~10月にかけて。秋限定のおいしさをもとめて、取材時にもマコモタケ目当てのお客様が遠くから来ていました。
12月~4月の時期になると出始めるのが、冬期限定の特製マコモタケ中華まん。パウダーにしたマコモタケの葉を生地に練りんでおり、あんにもマコモタケをふんだんに使用しています。
真空パックをほどこしたマコモタケの水煮は通年販売の定番商品です。
「マコモタケは比較的栽培しやすいため、これから農業を始める人にもおすすめ。マコモタケを普及し生産者が増えていけば、問題になっている耕作放棄地も有効活用できるのでは」と語る遠藤さん。マコモタケの生産者として、消費者に直接おいしい食べ方を伝えるのも大切な役割だと感じています。