市場では中々出回らない、
いわき産100%のオリーブオイルも手掛けるオリーブのエキスパート!
木田さんは、耕作放棄地の解消と若い人の就農について考えていた2009年にオリーブに出会いました。栽培開始後に東日本大震災に見舞われ、一度は諦めかけましたが、
手摘みでの収穫を手伝ってくれる県外ボランティアや栽培をとおして交流している小豆島(しょうどしま)の人々に「絶対やるべきだ!」と励まされて再奮起。
オリーブ栽培がきっかけでコミュニティが形成され、つながりがどんどん広がっています。
木田さんをはじめ市内の生産者によって栽培・収穫されたオリーブからオイルや実の塩漬け、お茶などさまざまな加工品が誕生。商品はいわきオリーブのホームページから購入することができます。
【いわきオリーブ株式会社】https://iwaki-olive.com/
生産者情報
生産者 | 北のオリーブ合同会社 木田源泰 |
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住所 | いわき市平下平窪字鍛治内29 |
電話番号 | 090-3756-4321 |
オンラインショップ | ポケットマルシェ |
情報提供当時と現在の情報が異なる場合がございます。ご了承ください。
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木田さんは49歳のときに脱サラして就農しました。農業の抱えるさまざまな課題に直面し「増え続ける耕作放棄地を活用して、次世代のために何か新しいことができないだろうか」と考えるようになり、2010年に香川県の小豆島からオリーブの苗木を取り寄せてテスト栽培をはじめました。
当時は「東北地方などの寒冷地ではオリーブは根付かない」と言われていましたが、無事に冬を越し「さあこれから」というときに震災に遭遇。その後さまざまな人から励ましを受けながら木を育て、2015年ついにいわき育ちのオリーブの実からはじめてオリーブオイルを搾ることに成功しました。
2018年には生産者の仲間とともにオリーブの関連商品を共同開発・販売する「いわきオリーブ株式会社」を設立し、木田さんが代表取締役社長に就任しました。
オリーブは古代ギリシア神話で女神アテネが「平和の象徴」として大神ゼウスに捧げたとされる「聖なる木」。木田さんはそうしたオリーブの歴史にも魅了され、現在では夏井川沿いにある畑と山、合わせて1.5haの土地で10種類約500本のオリーブの木を育てています。樹齢15年ほどの成木が多く、実は大きさ・量ともに充実してきました。
「葉の裏側がシルバー色で風が吹くとキラキラ輝いて見える。木々の生命力を感じ、畑にいると元気になるんですよ」と木田さんは笑顔で話します。
日当たり、水はけの良さなど栽培には一定の条件がありますが、一度根付いてしまえば鳥獣害が少なく、比較的育てやすいとされるオリーブの木。一方で、9月末ごろから12月にかけて行うオリーブの実摘みはすべて手作業で行われ時間と労力がかかります。
そうして一粒一粒集めた実から抽出されるオイルは全体の収穫量のわずか10%ほど。量産が難しいため、国産の純度100%のオリーブオイルはほとんど市場に出回らず、非常に希少価値の高い商品となっています。
オリーブの実は栄養素が高いことで広く知られていますが、実は葉にも抗酸化作用の高いポリフェノールが豊富に含まれているそうです。
オリーブの葉はティーパックやペットボトルのお茶としていわきオリーブ株式会社が加工・販売しており、美容や健康への意識の高い女性たちを中心にリピート率の高い人気商品になっています。
ほかにも、調味料、麺類、ティーパック、のど飴など、木田さんや市内生産者のオリーブを使った加工品は、いわきオリーブ株式会社のホームページや市内観光施設、直売所等で購入できます。
また、夏井川近くにある木田さんのオリーブ畑は、栽培に協力するボランティアたちのコミュニティの場にもなっています。「いわきサンシャインマラソン」の入賞者にプレゼントしているオリーブの葉の王冠も、ここで一つひとつボランティアが手づくりしています。
オリーブ栽培や商品開発を通して、食品添加物や加工食品など日本人を取り巻く食の安全の問題についても深く考えるようになったという木田さん。「高品質なオリーブオイルであれば、塩とオイルだけで十分おいしいドレッシングになります。味噌汁や納豆、刺身といったシンプルな和食にも合うんです。これからはこうした食べ方も含めて飲食店や消費者にアプローチしていきたい」と話します。
「+オリーブ ふくしまをもっと美味しく ヘルシーに!」を合言葉に、木田さんはこれからもオリーブを通してつながった仲間とともに、安全・安心でおいしいオリーブの魅力を発信していくそうです。
栽培している野菜
栽培野菜のオススメポイント
洋食のイメージが強いオリーブですが、お漬物や納豆、豆腐等、和食にこそ合うんだそうです。