「シャインマスカット」はなんと糖度20度以上!
大粒でみずみずしく、贈答用として大注目!
渡邊さんは東日本大震災後にいわき市に移住し、1町3反歩の畑で無農薬のキウイフルーツ、オリーブ等を栽培してきました。2023年から高級ブドウの代表格「シャインマスカット」と福島県生まれのオリジナル品種「あづましずく」、「グロースクローネ」、「クイーンニーナ」の4種のブドウを栽培。シャインマスカットは大粒で糖度20度以上もあるため、贈答用に人気です。
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「もとは大工なんだよ」という渡邊さん。大切に育ててきた建設会社は息子さんに譲り、現在は家族とともに農業にまい進しています。故郷の大熊町には両親から受け継いだ約7町歩の畑があり、季節の野菜を幅広く生産していましたが、東日本大震災の影響を受けていわき市へ。市街地からほど近い中平窪の農地で再スタートを切りました。
平中平窪にある1町3反歩の畑ではキウイフルーツを栽培してきました。与えるのは自然のたい肥のみ。農薬を使わない栽培で毎年2トン半の果実を収穫していましたが、2019年に発生した台風19号による水害で100本以上の木が浸水被害を受けて以来、規模を縮小しています。
その代わりに新しく借りることになった農地でシャインマスカットをはじめとするブドウ4種の栽培をはじめました。
大粒でみずみずしい渡邊さんのシャインマスカット。2023年3月に苗木を植え、山梨の観光農園で栽培方法を学びました。2年目となる2024年夏に初めての収穫期を迎え、約400房を収穫しました。ほかにも、福島県で生まれたオリジナル品種の「あづましずく」、大粒の「グロースクローネ」、赤色の「クイーンニーナ」も育てており、今後は収穫時期や土地への適性をみながら栽培を拡充させる予定です。
ブドウを育てているのは「高齢で管理が大変だから使ってほしい」と頼まれて借りるようになった場所。
糖度が高いブドウは鳥獣害にも遭いやすく、野生動物の浸入を防ぐ工夫を凝らしながら、収穫の日まで慎重に実を守ります。
こちらは銀色に輝くオリーブの葉。渡邊さんはオリーブも栽培しており、収穫した実から搾油機を使って自家製のオリーブオイルも生産しています。しぼりたてのオイルはさわやかな風味が引き立つフレッシュな味わい。普段のサラダが何倍もおいしく感じられます。安全性にこだわっているため、保湿剤代わりに肌や髪につける人も多いそうです。
渡邊さんはいわきオリーブ株式会社の共同出資者のひとりとして、仲間とともにペットボトルのオリーブ茶も製造販売しています。健康づくりに関心を持つ方から人気があります。
今後は新しくはじめたブドウの栽培を軌道に乗せ、直接お客さまにおいしさを伝えられる直売所のオープンを目指していきたいそうです。