草野いちご園

10棟の農業ハウスで、いちごの苗作りから栽培まで一貫して行っています。

土耕で栽培しているため、特に肝となる土作りに注力しています。

毎年、土壌の消毒と検査を行い、不足している成分を補ったり、土質を改善したりしています。

２種類のGAP認証を取得しており、食の安全や環境に優しい農業を目指しているため、化学肥料はなるべく使わず、乳酸菌など自然由来のものを使用しています。

親株を育て株分けして小苗を増やす苗作りは、4月に始まり定植できるようになるまで約半年の月日がかかります。

初期の2か月は収穫時期と重なり、忙しい中での作業になりますが、のちの成長に大きく影響するため、手間暇かけて丁寧に育てています。

受粉の役割を担うハチは、いちご作りを支える大事なパートナーです。

また、病気予防のための青色UVBや、日照不足を補うために赤色LEDなどを活用しています。

さらには、光合成を促すためにハウス内に炭酸ガスを供給するなど、高品質ないちごを作るために様々な技術や設備も導入しています。

しかし、最終的には自分の目で確かめて栽培管理を行い、おいしいいちご作りのために努力を惜しみません。

栽培しているのは以下の3品種です。
・ふくはる香：福島県オリジナル品種。糖度が高めでジューシー。桃のような香りがすることがあります。
・ゆうやけベリー：福島県オリジナル新品種。甘みが強く香り高くて粒が大きめ。
・とちおとめ：全国的にも人気の高い定番の品種。糖度が高くてほどよい酸味があり、果汁も豊富。

土の栄養をゆっくり吸収してじっくり育った濃厚な味わいが特徴で、大粒のものが多くあります。

また、糖度を一定に保ち、味の均一化を目指しているそうです。

2023年には、父の背中を追って息子の長俊(たけとし)さんも就農。

親子二人三脚で、いちご作りに励んでいます。

長俊さんが就農するタイミングで、ハウスの半分には高設ベッドを導入しました。

現在、いちご狩りは行っていませんが、将来的にはお客様に摘み取りを楽しんでもらうことも視野に入れているそうです。

園内の直売所では、採れたての新鮮ないちごの販売もしています。

いちごの取り置きや予約も受け付けています。（090-6453-8908）

直売所で限定販売しているふくはる香を100％使用したいちごのジェラートも大人気！

自然ないちごの香りとやさしい甘酸っぱさが味わえます。

長俊さんは、今後ジェラートに続く加工品の開発に挑戦していきたいそうです。

また、直売所では同じ小川町で農業を始めた生産者のサディ農園の野菜も取り扱うなど、町内の農業を盛り上げる活動もしています。

同時に、いちご栽培で新規就農を目指す方の研修も受け入れ、農業人材の育成にも熱心に取り組んでいます。

秀穂さんのお孫さんであり、長俊さんの娘さんはおじいちゃんとお父さんの作るいちごが大好きで、いちご作りを応援しています。

秀穂さんは、県内で生産者がほとんどいなくなった福島県オリジナル品種「ふくあや香」の栽培にも挑戦したいと考えています。

これからも、家族一丸となっておいしいいちごを追求し、新しいことにチャレンジしながら進化する草野いちご園から目が離せません。