時代の変化に対応しながら、質の高い農作物をつくって先祖代々の農地を守る!
遠藤家は、水稲を中心に農業を営んできた歴史ある農家です。
現在の代表者である遠藤一男さんは、造園の仕事をしながら兼業農家として米作りをしていましたが、父親の死去や減反政策による米以外の作物の生産推奨をきっかけに専業農家に転身し、露地栽培で園芸作物の栽培を本格的にスタートしました。
1999年からはブルーベリーの栽培にも取り組んでいるほか、いわきでは珍しいジャンボにんにくの栽培も行っています。
遠藤農園のブルーベリーや野菜は、市内の直売所や道の駅「よつくら港」で購入可能です。
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遠藤農園では、ブルーベリーやジャンボにんにくを中心に複数の野菜を栽培しています。
数か所に分かれている農地は、代表の一男さんが、ほとんど1人で管理をしています。
こちらは、ブルーベリー園です。
20年以上前に外出先で本を手に取ったことから興味を持ち、栽培を試みました。
暖地での栽培に適した「ラビットアイ系」の品種を10種類、約150本栽培しており、広さは約2反になります。
ウサギの目のように実が赤く、甘みが強い特徴があります。
肥料は専用の有機肥料を与えるなど、良質なブルーベリー作りに努めています。
また、以前はこの敷地に300本前後の木がありましたが、それぞれの木が大きく育って混み合ってきたので、間伐や移植をして半分近くの本数に減らしました。
こうした栽培管理により、日当たりや風通しが良くなっただけでなく、剪定などの作業や摘み取りもしやすくなったそうです。
寒地での栽培に向いている「ハイブッシュブルーベリー」も栽培しています。
こちらは、酸味と甘みのバランスが良く粒が大きめです。
収穫時期は7月~9月で、1kg2,000円で一般の方の摘取・販売も行っています。
(※詳細は、遠藤農園:090-2990-1562 までお問合せ下さい。)
毎年12月~2月の冬期には、剪定作業(枝を切ったり、形を整えたり、風通しを良くすること。)を行います。
遠藤さんは元々造園の仕事をしていましたが、それでも手作業での剪定作業はかなり大変とのこと。
しかし、美味しいブルーベリーを作るために、息子さん達の協力を得ながら農園を守っています。
こちらは、ジャンボにんにくです。
複数の圃場で約2,000株を栽培していて、生育状況を見ながら牛ふん堆肥などを適宜与えています。
以前は水田だったところにも土を盛って畑にし、栽培に挑戦しています。
水はけが悪いために、最初の年は根腐れをおこしてしまいましたが、排水用の溝を深く掘ることで改善が図れたそうです。
「ジャンボにんにく」は、1つ500g以上になるものも多く、にんにくを大きくしたような見た目からその名が付けられましたが、実は、ニンニクの仲間ではなくリーキやポワローなどの西洋ネギの仲間です。
そのため、一般的なにんにくよりも甘みが強く、香りもマイルドなのが特徴です。
ちなみに、ジャンボにんにくのおすすめの食べ方は天ぷらで、ホクホクして食べ応えがあっておいしいそうです。
2023年からは、さつまいもの栽培にも挑戦しています。
さつまいもは、6月頃に苗を植えます。
遠藤さん自身で手作りした道具を使って、効率よく作業をしていきます。
ボコボコしている節の部分がそれぞれ大きくなって、皆さんの知っているさつまいもになるそうです。
こちらはトマト栽培の様子です。
1人でも管理がしやすいように露地栽培に向いている品種「麗夏」を選びました。
夏の終わりに収穫時期を迎えるトウモロコシの栽培もしています。
一人で多くの作物を管理するのは大変なことですが、今後も先祖から受け継いだ農地をこれからも大切にし、1人でも多くの方に喜んでいただけるような質の高い農産物を作り続けていきたいそうです。