祖母の代から受け継いだ伝統野菜を守り続け
次世代へと繋ぐ「種の伝道師」。
農家の3代目として、年間で約40品目以上の野菜を栽培。
特に、いわき伝統野菜の一つでもあるじゅうねん(えごま)は、近年、メディアで話題になり、その存在が広く知られるようになりました。しかし、その反面、市内では生産量が少なくなっているため、若い世代に残していきたいと、地域に声をかけ「大久じゅうねん保存会」を設立。
農業を通じてできた人との縁を大切にしながら保存・継承に取組んでいます。
生産者情報
生産者 | 新妻ゆき子 |
---|---|
住所 | いわき市大久町大久字洞1-7 |
情報提供当時と現在の情報が異なる場合がございます。ご了承ください。
写真
こちらは、収穫間近のじゅうねんのほ場です。背丈は新妻さんの身長を越すほどで、清涼感のある爽やかな葉の香りが、一面に広がります。
じゅうねんには一般的に白種と黒種の二種類がありますが、大久じゅうねん保存会では、油の量が多く味が豊かな黒種を栽培しています。
直売所等で販売されるほか、ドレッシングやエゴマ油等の加工品としても使用されています。
5月に種を蒔き、10月下旬頃に収穫したあとは、陰干し・種落とし・選別・洗浄・乾燥と、作業には手間と時間がかかりますが、新妻さんは喜んでくれるお客さんや家族の笑顔のためにそして、貴重な種を後世へと繋いでいくため仲間と共に作り続けています。
数年前からは、地元の小学校や農業高校の子どもたち等の若い世代に向け、栽培方法や昔ながらの調理法等、じゅうねんの普及活動を積極的に行っています。
新妻さんは、「子どもたちとの触れ合いの中で、新たな気付きや元気をもらえる」と話します。
じゅうねんの他に、いわき伝統野菜の「さとまめ」という大豆も栽培しています。種皮は少し赤みがかっており、味噌等に加工して販売しています。優しい色味と風味が感じられる、他にはない逸品です。
新妻さんが作るじゅうねんやさとまめ味噌は、市内の学校給食センターでも使用され、地域の子どもたちの「ふるさとの味」として、その記憶に刻まれています。