一度食べたら忘れられない。
独自の堆肥で育てた、香り豊かなアスパラガス!
志賀さんは、親戚の使わなくなったハウスを活用して米作りと並行して栽培できる作物を作りたいと考え、2013年頃からアスパラガスの栽培を始めました。
収穫後すぐのアスパラガスは、甘みや香りが際立っていますが、時間が経つにつれて味や栄養が失われてしまいます。
そのため、早朝に収穫し、鮮度を逃がさないアスパラガス専用の保存袋に詰めて出荷するなど、日々努力を続けています。
志賀さんのこだわりが詰まったアスパラガスは、市内の直売所やスーパーの地場産品コーナーで購入可能です。
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アスパラガスは湿気や虫に弱いことから、雨や害虫の被害が防げるハウス栽培に向いています。
また、ハウスで栽培することで天候に左右されることなく春先から秋まで長期で収穫が可能になり、収量をアップさせるメリットがあります。
元々キュウリを栽培していましたが、アスパラガス栽培にも土質が合っていたのか、通常2年目から収穫が可能なところ、1年目から予想以上の収量があったそうです。
収穫は3月から始まりますが、4月頃まで採れる春先のアスパラガスは本数も少ないので大変貴重です。
さらにこの時期のものは、特に柔らかくて味が濃く、甘みも強くおいしさも格別なので、志賀さん曰く「一度食べたら忘れられない味」だそうです。
5月の上旬から6月頃にかけては、一時収穫量が減りますが、その後、夏アスパラガスの季節がやってきます。
こちらも旨味や甘みが強く、香りが豊かで、特に先端は水分と栄養がたっぷりです。
太さなどを選別して、新鮮なアスパラガスが市内の直売所やスーパーの店頭に並びます。
肉巻きなどお肉との相性も抜群ですが、そのまま茹でてマヨネーズを添えたり、天ぷらやフライなど、メイン食材として本来の味が楽しめる食べ方もおすすめです。
また、アスパラガスは鮮度が落ちやすいため、志賀さんは、早朝に収穫してその日の午前中のうちに市内の直売所やスーパーに出荷するなど、新鮮なまま食べてもらえるように工夫を凝らしています。
更に、使用する袋にもこだわり、1週間ほど鮮度を保ってくれる専用のものを使っているため、時間が経っても変色を防ぎ、みずみずしいアスパラガスが味わえるとお客様にも大好評です。
ちなみに、アスパラガスは一度根を張ると、同じ株で10年以上収穫ができる珍しい野菜でもあります。
収穫が終わると、切り株や茎葉などをすべて取り除き、土壌をバーナーで焼却して一度リセットします。
焼却することで土壌の環境を変えて病原菌や害虫の発生を防ぎ、次に生えてくるアスパラガスの成長を促進させ、翌年の収穫量や品質を高めています。
また、アスパラガスは「畑の豚」とも言われており、良質なアスパラガスを栽培するためには、たくさんの肥料を必要とします。
そのため、ハウス内全面に10トン以上の堆肥を散布して次の栽培に備えます。
市内の他の生産者は牛糞を使用する方が多いそうですが、お米の生産者でもある志賀さんは、もみ殻と近隣の養鶏場の鶏糞を発酵させた独自の堆肥を使用してます。
市内の飲食店の方が直売所で購入し、焼きアスパラとして提供している飲食店もあります。
また、個人のお客さんから予約して購入したいとの声が多く寄せられています。
奥さんも一緒に収穫や選別、出荷作業をこなしていますが、9月からは稲刈りも始まるため、10月以降はアスパラの収穫が難しくなるそうです。
そんな中、将来跡を継ぐ予定の息子さんも作業に加わるようになりました。
「お客さんから『入荷を待っている』という声を聞くと、やりがいを感じ、嬉しくなる。
家族で協力して、少しずつ生産体制を整えて、多くの人に美味しいアスパラガスを味わってもらいたい。」と笑顔で語ってくれました。